第23話

私が泣いている間中、光希はそっと抱きしめていてくれた。

背中を優しく撫でていてくれた。


…ありがとう。

辛いけど、なんとか話す勇気が出てきたよ。


私は光希の腕にそっと包まれたまま、胸に顔を埋め、そして目は合わせないまま話し始めた。



「…あのね、光希。私、風邪とかじゃなかったよ」


「……うん。そっか」


「私ね、重い病気だったみたい。だからすぐには治らないんだ。多分…準備が出来次第、今月のうちに入院する事になると思う」


「そう…なんだ……」



ある程度は覚悟していたのか、光希はやけに冷静だった。…表面的には。


…が、話の内容はまだ、ある意味序盤。

言わなきゃいけない大事な話はたくさんある。


だけどここまで話した時点でかなりの落ち込みよう。

いくら平静を装っていても、私には分かる…。


動揺が痛い程伝わってくるから……言いづらいよ…。

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