第22話
ベッドの中。
いろいろと考えているうちに、いまさらながら涙が出てきて、いつの間にか泣きながら眠ってしまっていた。
「…~♪♪」
16時半頃。光希からの着信で目を覚ます。
「んー…、はいはぁい」
「あー、やっぱ寝てたのか。だいぶ前に送ったLINE、まだ未読のままだったからさ。起こしてごめんな。あ、もう家に着くけど、行っていい?どうする?」
…泣き腫らした目。寝起きで髪はぐちゃぐちゃだし、ほぼすっぴんだけど、呼んでおいて待たす訳にはいかない。
「平気だよ」
「おー、あ、もう着いたよー。じゃ入るね」
そしてちょっとして、光希が部屋に入って来た。
「よっ!」
…光希の顔を見ていろいろ考えたら、涙が止まらなくなってしまった。
そんな私を、何も聞かずにそっと抱きしめてくれる。
私が泣き止むのを待ってくれている。
この優しい温もりがまた、私をさらに悲しくさせる。
『もう少し泣いていてもいいですか?』
言葉にはならなかったけど、伝わっているのかな。
このままいさせて。
ごめん、もう少しだけ泣かせて。
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