第18話

今日は金曜日。

経過観察の診察と精密検査の結果を聞くために、午前中から病院へ行く事になっていた。

お母さんの運転で病院へと向かったんだけど、たまたま休みだったお父さんも、なぜか一緒について来た。


心配性だなぁ。


退院した月曜日から四日経ったけど、まだ頭痛と軽いめまい、そして微熱が続いていた。


結局今週は大学もバイトも休んでしまったし、光希がくれたプラネタリウムを一緒に見る…という約束も果たせなかったね。ごめんね…。


こんなに体調不良が長引くのは久し振りだよ。

基本的に風邪くらいなら、一晩寝たらほぼ治る…という自信はあったのに。


病院へ向かう車の中で、出るのは溜め息ばかり。

体調が優れない日が続くと、なんだか気分も滅入ってしまってだめだなぁ。


病院は家から車で15分くらいの所にある。

その間、なぜかお父さんとお母さんの会話はほとんどなかった。


沈黙のまま時は過ぎ、病院に着いた。


そして受付をして、30分くらい経った頃、

「森山さーん、森山紗織さーん、5番の診察室の前でお待ちください」

と、やっと私の名前が呼ばれた。


診察室の前の長椅子で、もう5分程待たされ、いよいよ診察室に入る。


せっかく来たからなのか、お父さんとお母さんも診察室へついてくるみたい。


『ちっちゃい子供じゃないんだから、一人でいいのになぁー』


そんな風に思っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る