第5話

学校ではずーっと生徒会長やら部長やら…なにかと常に目立つ存在だった光希。

女子からだけでなく、同性からの人気も高い。


ならば…と期待してしまうけど、勉強は嫌いではないが好きでもない程度らしく、成績のほうはいつもせいぜい真ん中よりも少し上くらいだった。



「そうだ、光希。今度の日曜、記念日はどこ行こっか??」


「…ふふふっ…。今回は俺にしちゃあ珍しく、ちゃんとプランを立ててあるからさ。今は秘密だけど、楽しみにしてろよな。実はサプライズもあるんだぜ」



いたずらっ子のように、かわいくも不敵な笑みを浮かべながら、自信満々に言い切った。

…ただ、サプライズがあるって言っちゃったらサプライズ感半減ですけどー。


基本的には引っ張るタイプかもしれないが、器用ではない光希。

『そんな光希がねぇ…大丈夫かなぁ』と思いつつも、純粋に楽しむために、あまり探ったり考えたりはしないことにした。


…なんか光希はすっごく聞いてほしそうな顔をしてるけど、ここはあえてスルーしてみる。



「ね、ね、なぁ。何があるのかとか、気にならないの?ヒントだけなら言わないでもないぜ!」


「あ、うん。気にはなるけど、聞いちゃうと楽しみ減っちゃうじゃん。だからいいや。ここはあえて、我慢するよ」


「そっかぁ。まぁ聞かれても多分言わなかったけどね。やべっ、マジで楽しみだなぁ」



なんだか一人でテンション高いし、にやにやしてるよ。


まぁそんな光希を見ていると幸せな気分になるし、期待はどんどん膨らんでゆく。

ただでさえ楽しみな記念日を、こうしてさらに楽しみにさせてくれる光希に感謝する。

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