第80話

「んー、俺の今の気持ちって言うのかな。すごく複雑な、ごちゃごちゃした感じなんだけどさ」


「はい」



それは私も一緒だよ。



「でね、そのごちゃごちゃした感情をたどっていった、一番奥にある部分を紐解いていくとさ、ひとつの結論に達するんだ」



……!?何か分かったのかな?

ドキドキしながら次の言葉を待つ。


…なぜかは分からないけど、不自然な長い間があり、翔瑠さんの中の何かが切り替わったような気がした。



「…キミが好きだ。昨日や今日に、急に生まれた感情じゃない。……ずっとずっと好きだった。やっと逢えた」



…告白のようだけど、何かが違う。


もともと友達だったとか、知り合いだったとか、そういう訳ではないんだから。


ずっと好きだったのは、夢の中の女の子のことでしょ。

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