第73話

「あ、どうしたの?俺…なんかやっちゃった?」



いえ…。


私はうつむいたままで首を横に振りながら、言葉にならない言葉で呟いた。



「あー、女のコにさー、おでこを見せてなんて言うとか、どこの変態だよって感じだよな。ごめんごめん」



そう言われても、目も合わせずに下を向いたまま黙り続ける私。

楽しかったムードを完全に壊してしまい、申し訳ない気分になってきた。



「あ、うん、もういいよ。変な事言って悪かったね。どっちにしろ失礼な話なんだよな。分かってたんだ」



…?どっちにしろ……?分かってた…?



「もう見せなくてもいいんだけどさ、実はおでこの…右のあたりに小さな傷があるんだよ、あの子」



……!


翔瑠さんから見て右って…私の左眉の上の傷のこと??

なんで知ってるの?


私は驚き、泣きそうな顔を上げ、翔瑠さんの目を見る。

翔瑠さんは少し困惑した表情で、話を続けた。

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