第70話

…まさか!告白とか!

会ってやっぱりって確信したよ。好きだ!…とかー。


…あー、ありえないし。

でもなんか、勝手に色々想像して楽しくなってきたよ。




次の言葉が届くまで。


なかなか話は始まらず、そんな勝手な妄想で遊んでいると、なんだかほんとに恥ずかしくなってきちゃったよ。



「事故に遭う以前にはよく見てて、最近は全く見なくなっちゃったんだけど、俺さ、昔から見てる夢で、そこに出てくる女の子がいてさ」



ん?そんな夢なら私もあるけど、そういう話かな?



「まー俺の場合は現実ですら、今年の始め以前の記憶が曖昧だからか、その夢自体もぼやけちゃってるんだけど」



それって…その夢って、実際に会っていた人の記憶がぼやけてるってことはないのかな?



「ただ、ぼやけてはいるんだけど、事故以前の現実の記憶なんかよりは、はっきり覚えてるくらいでさ。うーん、事故以前の記憶はないけど、それだけは忘れてないっていうのかな?でさ、その夢、現実ではありえない状況だったから、あれが夢なのは間違いないんだ」



ぼやけた現実と、はっきり覚えてる夢。


その二つがそれぞれ現実と夢だって言い切れる感覚、私にはよく分からないなー。

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