第62話

翔瑠さんは私より三つ年上で、会社員。

事務用機器の会社で営業をしているそうだ。

私は学校のこと、就職が決まったこと、バイト先のことなんかを話した。


30分以上かな。

いろいろとやり取りし、お互いの自己紹介的なものが終わってきた頃。



『あのさ、明日とか暇?』

『ちょっと会って確かめたい事っていうか…』

『聞きたい事とかあるんだよね』



なんだろう。

まぁ特には予定もないし、大丈夫かな。



  『暇ですよー』

  『どこに何時がいいですか?』



そう聞くと、翔瑠さんは私のバイト先のファミレスに行ってみたいという。



『あそこの店』

『昔から行ってみたかったんだよね』


  『へー!そうなんですかー!』


『うん、なかなか行く機会がなかったっていうかさ』

『行けなかったっていうのかな』

『あ、自分の働いてる店とか、行くのは嫌?』


  『いえいえ、全然平気ですよ』


『うし!』

『じゃ、時間は19時とかでいい?』



私のバイト先のファミレス。

一応全国チェーン店だけど店舗数は多くなく、あると珍しいと感じるお店だからかな。



  『はーい』

  『じゃ、19時に!』


『おー、悪いね』

『じゃ、よろしくね!』



聞きたいことってなんだろう。

助けてくれた恩人だし、とりあえず変なことはないとは思うけど…男の人といきなり二人で会うのは怖いしなー。


そういう意味でも自分のバイト先なら安心だよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る