第61話

『でさ、その』

『今年の始めの話って何の事??』



んー…、ん?

なんだなんだ、流されたのかな…?

流してくれたのは…優しさなのかな?

まーもうどっちでもいいか…。


で、そんな風に聞かれるってことは、あのことは覚えていてくれてないってことなのかなぁ。

うーん…。



  『えーっとですね…』



とりあえず今年始めに痴漢に遭ったことと、その時に翔瑠さんがその痴漢を捕まえて、私を助けてくれたことを伝えた。


…だけどやっぱりと言うか、残念ながら覚えていないようだった。

駅名や時間なんかを伝えると、おそらく自分だろうとは言っていたけど。


まぁ、確かに翔瑠さんがいたのはほんの数分だったもんなぁ。

ちょっとショックだけど仕方ないか。



そしてそこからお互いの自己紹介をし、しばらく他愛のないやり取りが続いていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る