第52話

「それにしてもさー、検索したら一発ヒットだよ。まぁたまにいるけど、本名でXやってるとはね。てかさ、綾音はこういう発想はなかったわけ?せっかく名前を教えてくれたんだし、とりあえず検索しようとか思わなかった?」


「うーん、それは思わなかったなー。なるほどね。調べればなんでも分かっちゃう今の時代、名前自体も個人情報そのものなのかもしれないね」


「そうそう、だからさ、そういうのを利用すれば、運命なんてのに期待しなくたっていいんだよ。まぁ今回の場合、出てくる検索結果で綾音はビビっちゃったとは思うけどねー」



検索結果にビビる?なんのことかな?

あー、簡単に見つかるとか、そういうことかな。


…でも、確かに璃咲の言う通りだ。


運命を待つとか言って、次の偶然の再会なんて待っていたらいつになるかは分からないし。

そもそもそんな運命なんてものは存在しないのかもしれないし。


そうだよ、そう。何もしなければ、何も起きないよね。



「ありがとね、璃咲。私、ちょっと勇気出してみるね」


「うんうん、当たって砕けろ、だよ!…あー、そっか。砕けないほうがいいのか」


「うんうん!砕けてもいいから、当たってみる!」



どうなるかは分からないけど、とにかくもう前に進むことにしたんだ。

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