第53話

どうしよう。

なんて送ろうか。


翔瑠さんへ、初めて送るメッセージ。


書いては消してを繰り返し、なかなか文章は書き終わらない。

読み返すと恥ずかしくなって、また全部消して…。

そんなことをしばらく繰り返していた、その時。



「綾音ー、今夜はいるんでしょー?スーパーに買い物行くけど、一緒に行くー?」



突然一階からお母さんの声が響く。

結構集中していたのもあって、びっくりしてしまい、携帯を落としそうなってしまう。


おっとととーっ!あぶないあぶない!


まー上手くまとまらなくて、ちょっと煮詰まってきちゃったのもあるし…気分転換しにいこうかなー。



「うん、いくー。準備するから15分くらい待っててもらっていい?」


「はいねー。準備終わったらおりてきてねー」


「はーい」



やっぱり最初は大切だ。

翔瑠さんの私に対する印象を決めかねないし、きちんとじっくり考えてから送らなきゃだからね。


よし、帰ってきたら、また考えよう。

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