第45話

…いつからかは分からない。

だいたい数ヶ月に一度。

幼い頃から見る、同じ夢がある。



木々が立ち並ぶ、広い公園の真ん中にある広場。

芝生が青々としていて、心地よくて柔らかい風が吹き、ほのかに草の香りがする。


そしてそこには私ともう一人、女の子が座っている。


私によく似た背格好の女の子。

楽しく話をしていると、必ず私だけ、誰かに呼ばれてその場を離れなければいけなくなる。

その時に見せる女の子の表情は笑顔だけど、どこか悲しそうで、寂しい気持ちになって目が覚めるんだ。



…そんな夢。

いつも見る、そんな夢。



今日もまた、久しぶりにその夢を見た。


そこに出てくる女の子。

昔は双子の姉のさーちゃんかなって思ってたんだけど、どうも違うみたい。

現実に会ったことがある人なのか、そうでないのかも分からないんだ。


今日はその子に何かをそっと耳打ちされ、そこで夢は終わってしまった。


…そしてその直後、真夜中にぱっと目が覚める。


その内容は全く覚えていないんだけど、なにかが閃いたような…そんな気がして。

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