第20話
BGMは完全に止まり、すべてを飲み込む静寂が訪れた。
時計の針どころか、店員さんも、お客さんも、璃咲も………そして私も動きを止めた。
叫びたくても叫べない。
動きたくても動けない…。
……ただ一つ、止まらないものがあった…。
…それは私の思考。
…なんで意識があるんだろう…。
パニックになりつつも、すべての静寂のせいか、不自然なほどに冷静な自分がいた。
一体今、何が起きているのか。
時が止まってしまったの?
世界中??
それともここだけ…?
このまま永遠に時が止まったとしたら、動き出せないみんなは死んだのと同じになっちゃうのかな…。
………!!!!
そんなことよりも……
そんなことよりも、なんて言ったら、自分の事しか考えてないみたいでみんなには申し訳ないけど………
……………私はどうなるの?
このままの状態で時が止まってしまったら…
私は永遠にこのままって事??
意識はあるけど動けないから、何も出来ないこの状況。
そして………永遠という長きにわたる時を、これからずっとこのままで過ごして行かなきゃいけないの!?
助けて……助けて!!!!
嫌だ!嫌だ!!嫌だ!!
…声も汗も涙も出ない。
…頭の中では焦りがあるけど、呼吸や鼓動が速まることもない。
………今はただ、ここにある永遠というものに絶望するしか…なかった……。
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