第19話

そんな璃咲を見てほんわりした気分に浸っていると、ふとお店の中の空気感が急に変わったというか、何かちょっとした違和感を感じ始めた。



「~♪♪…プツッ、ザッ…~♪」



…え?なにこれ?


店内に流れるBGM。

なぜか聞き苦しい感じで、途切れがちなのがやけに気になる。



どうしちゃったのかな?故障したのかなぁ。


…と思うと同時に、身体はぐぐっと急激に重く感じ始める。



「り、璃咲…!た…すけ……」



異常に気づき、目の前の璃咲の背中に手を伸ばして呼び止めようとしたけど、なんだか声がうまく出せない…。


そして目の前に並ぶ時計達。

違和感はそこにもあった。



チッ、チッ、、、、チッ、、チッ、、、、、



秒針は不規則なリズムを刻みながら回っている。

…止まりかけたり、動いたり。


電池切れなのかと思ったけど、そこに並ぶ他の時計を見ると、すべての時計がおかしなことになっていた。


連続秒針の時計すら、ぐにゃぐにゃとした歪んだリズムで時を刻んでいる。



……そして、だんだんと時計の針はスピードを落とし…

…ついに、止まってしまった。

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