第Ⅱ章 第12話

「一つは、佐藤希望の部屋を見せて欲しい。それともう一つは死体の第一発見者の笹塚碧葉さんに話を聞きたいんだが、構わないか?」

恭哉は真壁さんにそう聞いた。「どちらも構わないけれど・・・どちらも恭哉と優姫ちゃんが警視庁に来る前に終わっているけど、何か気になる事でもあるの?恭哉」

真壁さんは恭哉にそう聞いた。


「良いや・・・今の所はまだ無い」

恭哉は真壁さんの質問に素っ気なく答えた。


「分かった。案内するからついて来て」

真壁さんはそう言うと私と恭哉を佐藤家に入れた。真壁さんは、私と恭哉を一室に案内した。


「ここがそうか?」

恭哉は真壁さんにそう聞いた。「うん、そうだよ。でも、佐藤希望の部屋は一通り調べたよ?特に目新しい物は無いと思うけど」

真壁さんは恭哉にそう言った。


「そうだろうな・・・けど・・・調べてないと出てこない真実も有るだろう」

恭哉はそう言った。「そうだね」

真壁さんはそう答えた。私と恭哉は部屋を漁った。


私は本棚を調べ、恭哉は佐藤希望のデスク周辺を調べた。私はある異変に気付いた。


「恭哉、少し良い」

私は、真壁さんしか居ない為、下の名前で恭哉を呼んだ。


「如何した?優姫。何か見付けたのか?」

恭哉は私の傍に来て、そう聞いて来た。「これ、何か可笑しくない?他の本は綺麗に整頓されているのにあの本だけ、入れ方が雑だから」

私は恭哉もそう説明した。


「確かに並びとしては可笑しいな・・・。これか・・・」

恭哉は佐野希望の綺麗に整頓された本棚から雑にしまわれた本を取り出した。

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