第Ⅱ章 第9話

「・・・・そうだね」

真壁さんは恭哉の言葉にそう頷いた。


「真壁、逢坂と霧島を事件現場に案内してやれ」

佐々木課長は真壁さんにそう命令した。


「分かりました。じゃあ、案内するから行こうか。恭哉に優姫ちゃん」

真壁さんは、私達にそう言った。


私と恭哉は警視庁捜査一課のオフィスを出ると「さっきの二人は連れて行かないのか?」

恭哉は真壁さんに疑問を口にした。


「ああ。三雲さんと煌坂さん?二人と会ったのは今朝の殺人現場なんだ。だから、二人はもう現場の事も事件概要も知っているからね」

真壁さんは恭哉の疑問にそう答えた。「そうだったんですね」

私は真壁さんにそう答えた。


「うん」

真壁さんはそう答えた。


私と恭哉は真壁さんと共に警視庁を出ると、駐車場に向かい、私と恭哉はパトカーに乗り込んだ。パトカーは真壁さんが運転してくれている。


私はさっき、真壁さんが話してくれた事を頭の中で考えていた。暫くして、パトカーは、事件の資料に載っていた一軒家に着いた。私達はパトカーを降りた。


「じゃあ、優姫ちゃんと恭哉の為にも再度、事件概要を詳細に説明するね」

真壁さんはそう言った。「ああ、頼む」

恭哉はそう答えた。


「分かった。事件が起きたのは今朝の6時頃。死体の第一発見者は殺された佐藤夫妻の妻・佐藤和葉の実の姉・笹塚碧葉さん。彼女は、佐藤夫妻の家から近い場所に住んでいて、何時も朝になると実の妹家族と朝食を取るのが日課だったんだ。


だから、今朝も笹塚碧葉さん、佐藤夫妻の家に来た。だけど、家の鍵が開いている事に不審に思った碧葉さんは家の中に入り、佐藤夫妻の寝室に入ると、妹の佐藤和葉さんと和馬さんの死体を発見し、警察に連絡が来て、今朝、僕、佐々木課長と新人の三雲さんと煌坂さんがこの現場に来たって訳だよ」

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