第Ⅱ章 第8話
「その資料を見れば大体察しが付くと思うけどね・・・」
真壁さんはそう言った。
「・・・これ、事実なんですか?真壁さん。佐藤夫妻は、前から殺される可能性があったって。それと・・・自分の子供を虐待していたと言う事は・・・」
私は事件の資料を見て、驚きを隠せなかった。
その資料には、佐藤夫妻は実の子供である佐藤希望、佐藤望夢と佐藤聖羅の兄弟に暴力を振るっていたと書かれていた。
「うん、紛れもない真実だよ。それと佐藤夫妻に暴力を振るわれている一番上の兄で現在高校生の佐藤希望の話では弟だった佐藤望夢と佐藤聖夜を殺したのは殺された佐藤夫妻だとも証言している」
真壁さんは私の質問にそう答えた。
「成程な。恨まれても、殺されても仕方無く、救いようの無い人間だと・・・・。それで殺された訳か・・・。
俺もこの真実は信じたくないが・・・。子供に暴力を振るう事は許せないし、許されない。
そんな事をした佐藤夫妻を憎む意味も分からなく無いが、だが・・・そうだとしても殺す事だけは到底擁護など出来無いがな」
恭哉はそう言った。
私も恭哉も真壁さんも子供が居るから、この事件の事に胸を痛めている。
子供を守り、育てる存在の親が実の子に対して、暴力を振るう事だけは絶対に許せない・・・・・。でも、それと同じ位、人を殺める事だけは許す事は出来ない。
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