第Ⅰ章 第30話

私と恭哉がリビングに入ると「お帰りなさい、お父さん、お母さん」

そう言い、声を掛けて来たのは、小学校2年生になったばかりの私と恭哉の息子で霧島家の長男である霧島八雲だった。


「ただいま、八雲。良い子にしてたか?」

恭哉は、八雲にそう聞いた。


「うん、良い子にしてたよ。でも、お父さんもお母さんもいつも帰りが遅い事が多から、早く帰って来るのって珍しいね?」

八雲が小学校に入る前に、私と恭哉が刑事だと言う事を話していた。その為、八雲は私と恭哉が仕事で遅くなる事を知っている。


「今日は早めに仕事が終わったから、早めに帰宅したんだよ」

恭哉は八雲にそう言った。


すると「お帰りなさい、お父さん、お母さん」

そう言い、リビングに入って来たのは、今年、八雲の通う小学校に入学したばかりの私と恭哉の娘で八雲の妹である霧島綾香だった。勿論、八雲同様に私と恭哉が刑事だと言う事は話していた。


「ただいま、綾香」

私は綾香にそう言った。


「さ、ご飯の準備をしよう。手伝ってくれるか?八雲」

恭哉は八雲にそう言った。「うん」

八雲はそう答えた。


八雲はどちらかと言えば、恭哉に似ていて、頭もいいし、年相応よりも大人びているし、料理を作るのが好きな子だ。


妹の綾香は私に似ておっとりもしているが、二人共に共通しているのは根が優しい所と頑固な所だ。


そこは、両親である私と恭哉に似ている。


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