第Ⅰ章 第23話

「待て、霧島。・・・案内する」

観念した様に葛城さんはそう言い、私と恭哉を案内した。


案内された部屋に通されるとそこには二人の男性がいた。

一人の男は、恭哉が部屋に入って来た途端に顔をしかめっ面にさせた。


「久しいな、黒峰。それで、そっちの男は?俺も会った事無いが?」

恭哉はもう一人にそう聞いた。


「貴方が霧島恭哉さんですね?」

男は恭哉にそう聞いた。


「ああ、そうだが?お前は俺の事を知らない筈だろう?それに俺もお前の事を知らない。あれか、そこにいる黒峰にでも俺の事を聞いたのか?」

恭哉は怪訝そうに答えた。


「はい、流石ですね。自己紹介が遅れましたね。私はこの黒峰弁護士事務所の事務員をしており、また、大学で教授をしております。月島悟と申します。以後、お見知りおきを」

男ー月島悟はそう言った。


「それで、お前が何故、ここに来た?後ろに女を連れて」

黒峰はそう言った。


「彼女の事はお前に話す事は無い。


それで、お前に聞きたい事が有ってわざわざこんな所まで乗り込んで来たんだ」

黒峰の質問に恭哉は両断した。


「そうか。それで、元・警視庁捜査一課の狂犬たるお前が俺に何を聞きに来たのか説明を求めたいんだが?」

黒峰はそう聞いた。


「ああ。前にも聞いた方があると思うがお前は鳴海優雅と言う男の事を知っているか?」

恭哉は、黒峰に鳴海と言う男の事を聞いていた。

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