第Ⅰ章 第20話
恭哉はそう答えた。
「鳴海は、被害者の好きな物に麻薬を混ぜて、殺したのか・・・。あの男が考えそうな最悪な事件だな」
佐々木課長はそう言った。
「いえ。まだ、最悪な事がありますよ、課長」
恭哉は尚も続けた。
「まだ?まだ何か有るのか?霧島」
佐々木課長は、霧島の言葉を怪訝そうにし、首を傾げた。
「黒峰が関与している麻薬事件は、30件あるそうです。しかも、その内、鳴海が関与した麻薬事件は10件。その内、1件はまだ未解決のままです。
その事件は俺が通り魔殺人事件で母親と姉を亡くした事件よりも3年前に起きた事件だそうです。当時、高校生だった鳴海が起こした大規模な薬害事件だ。俺の事件の裏に埋もれた薬害事件と同じ15人も刺したとも、この事件が大きくあの薬害事件と違う部分があるとも京極は話してくれました」
恭哉はそう言った。
「あの薬害事件と違う所か?」
恭哉の報告で、佐々木課長は首を傾げた。
「はい。この事件は事前に念蜜に計画された事件だったそうです。
先輩、京極から貰った資料持っていますよね?あれを課長にも見せて上げてください」
恭哉は私にそう言うと、私は京極さんに貰った資料を見せた。佐々木課長は資料を熟読した。
「この資料に乗っている被害者全員、鳴海の同級生か。しかも、間接的にイジメていた人達が被害者か」
佐々木課長も恭哉と同じ事に気付いたらしい。
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