第Ⅰ章 第17話

部屋を出ると恭哉は待っていた。


「先に戻ってたと思ってた」

私は、恭哉にそう言った。「いや、戻る前に、蓮に連絡してたんだ」

恭哉はそう答えた。


私と恭哉は移動しながら話した。


「御影先生にか・・・。そう言えば、御影先生に子供達の事、任せ切りになっちゃったね」

私はそう言った。


「ああ。でも、あいつは、ああ見えて子供好きだから心配はないだろう。それに万里にも事情は話していると言ってた。親父も仕事で、万里もここ最近、忙しいらしいからな。あいつに任せてしまうのは申し訳ないが・・・」

恭哉はそう答えた。


「そうなんだ。それと前に恭哉が話してくれた麻薬取締部の知り合いて紫桜さんの事だったんだね?」

私は、恭哉にそう聞いた。


「ああ。それと、神宮寺・・・さっき、俺達を出迎えた男ともう一人、司波春誠と言う元警視庁捜査一課で神宮寺の相棒だった男も居る。その二人共昔、ある事件で会った事はある」

恭哉は私の質問にそう答えた。


「成程。と言うか、恭哉って意外と警察関係者の知り合いが多いんだね?元警視庁捜査一課時代からの付き合いが多いから?」

純粋な質問を恭哉にした。


「確かにな。元警視庁捜査一課時代、各所に出入りしたりしているから意外と顔はきく方だけどな」

私の質問に恭哉は素直に答えた。


「ねぇ、さっきの紫桜さんの話に戻るけど、恭哉、黒峰弁護士事務所に一人で乗り込みに行くの?」

私は、さっきの紫桜さんと恭哉のやり取りが気になりそう聞いた。

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