第Ⅰ章 第16話
紫桜さんはそう答えた。
「もしかしたら、今回の鳴海の脱獄を手引きした黒峰が関与しているかもしれないって事か・・・。それともその先に、本当の黒幕が居るのかもしれないな」
恭哉はそう言った。
「その可能性はあるけど、それはしっかり調べないと何とも言えないのが現状だよ」
恭哉の呟きに紫桜さんはそう答えた。
「となると、俺がこれから成さねばならない事が出来たな。紫桜の言った見解を確かめる方法は一つしかない」
恭哉はそう答えた。
「おい、まさか、あそこに行く気か?お前」
恭哉の発言で、紫桜さんは、驚き、聞き返した。
「ああ。それに、あそこに鳴海と穂高を脱獄させた人間がいる以上、野放しになんて出来ないだろう?
俺もあそこに行くのはあまり好まない。だが、あそこに行けば何か手掛かりが手に入るなら俺は危険を承知で行く積りだ。
・・・それと、俺は一度言い出したら聞かない事は、お前は知っているだろう?」
恭哉は、紫桜さんの質問に冷静に答えた。
「・・・まぁ、確かにそうだな。お前は、意外と頑固だからな」
紫桜さんはそう答えた。
「ああ。じゃあ、俺は行くよ。情報、ありがとう」
恭哉はそう告げ、足早にその場を去った。「あ・・・待って・・・あ、この資料、お借りしても?」
私は紫桜さんにそう聞いた。
「ええ、構いませんよ。それと、あいつも意外と無茶をするから、気にしてやって下さい」
紫桜さんは私にそう言った。
「はい。では私も失礼致します」
私は紫桜さんにそう言い、私も部屋を後にした。
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