第Ⅰ章 第12話

「えっと、紫桜さんでしたっけ・・・?紫桜さんも私の父の事を知っているんですか?」

私は、そう聞かずに居られなかった。


「ええ。私も昔、一度お会いした事がある程度ですよ」

紫桜さんは私にそう答えた。「そうなんですね」

私はそう答えた。


「はい。それで、恭哉さんは、私に用事でここに来たんだね?じゃあ、移動しよう。話はそこで聞こう」

紫桜さんはそう聞いた。「ああ」

恭哉はそう答えた。


私と恭哉は、紫桜さんの案内で別の部屋に案内された。


「それで、恭哉さんと逢坂さんがここに来た理由を尋ねても良いかな?」

紫桜さんはそう言った。


「ああ。さっき、呼び出されたが、鳴海が東京拘置所から脱獄した」

恭哉はあっさりとそう告げた。


「!!な、馬鹿な・・・。あんな場所から脱獄なんて出来ないだろう・・・何故」

紫桜さんはそう言った。


「だが、事実だ。鳴海は何者かの手によって脱獄している。俺と先輩は、その事件を担当している。お前に聞きたい事は鳴海が関与した疑いのある未解決の麻薬事件だ」

恭哉は紫桜さんに聞いた。


「ああ・・・あの事件の事か・・・」

紫桜さんはそう答えた。


「確かにあの事件は、私達が担当した事件で最悪な事件だったよ」

紫桜さんはそう言った。


「ああ。俺もその事件の事は記憶しているよ。あの事件は、俺の知る中でも最悪な事件だったな」

恭哉も紫桜さんと同じ事を言った。


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