第Ⅰ章 第10話

「未解決の麻薬事件?」

私は、真壁さんの発言で首を傾げた。


「ええ。その事件の事は、俺と真琴が担当した事件の一つであり、その事件は薬物事件です。


その事件の概要は、二人の被害者と一人の重篤者を出した薬害事件です。重篤者は当時高校生だった女性です。その薬害事件は体に害をなす危険薬物を国内に輸入し、高校生や大学生に麻薬を売ったとされている売人が居たんだ。


その男は、黒峰組が匿っていた人物とされている」

恭哉はそう答えた。


「その事件が未解決の麻薬事件なの?」

私は恭哉にそう聞いた。「ああ、そうだよ」

恭哉は私の質問に答えた。


「そうか・・・。その麻薬事件にも鳴海は関与していたのか・・・」

佐々木課長はそう答えた。「はい」

恭哉はそう答えた。


「それで、その麻薬事件を担当したのは麻薬取締部だろう?」

佐々木課長は恭哉にそう聞いた。「ああ。その事件を担当したのは、多分、課長達の知っている麻薬取締部とはまた違う麻薬取締部が担当した事件なんですよ」

佐々木課長の質問に恭哉はそう答えた。


「そうなの?」

私は恭哉にそう聞いた。「ああ」

恭哉は私の質問にそう答えた。


「なら、麻薬取締部でその事件の事を聞いてくれ。その事件は今回の件に関係あるか分からないが、無関係とも言いづらいだろうからな」

佐々木課長はそう言った。「分かりました」

恭哉はそう答えた。

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