第Ⅰ章 第7話
伏見さんはそう答えた。
「だが、そこから先が分からないな。何故、鳴海と穂高を脱獄させた男の目的も何も分からない。
だが・・・脱獄させたと言う事はただ脱獄させたって訳でもないだろうな・・・。ただ、今回、鳴海と穂高を脱獄させた男の裏に、何か組織が存在しているならば、その組織が鳴海と穂高を欲しているのかも知れないな・・・。
だが、流石の俺でも、今回の事は頭を悩まされるな」
恭哉はそう言った。
「流石の恭哉さんでもですか・・・?」
そう聞いたのは藤崎さんだった。
「ああ。それにあまりにも証拠が少な過ぎる。ただでさえ、この東京拘置所に自由に出入りできる筈の無い場所だからな。そのせいなのかもな、証拠が少ないのは」
恭哉はそう推理付けた。
「そうですね。ここに自由に出入り出来る訳じゃないですからね」
伏見さんはそう言った。「ああ。そうだね・・・」
佐々木課長はそう言った。
「だけど、恭哉さんが最初に述べた通りの推理になるのでしょう。鳴海と穂高の脱獄に加担した男は、誰かに命令された可能性が高いですね」
そう言ったのは、伏見さんだった。
「確かに伏見の言う通りだな。そうなると、奴等を欲する人物となると犯罪者組織かあるいは・・・犯罪に加担している組織の可能性が高いな」
恭哉はそう答えた。
「待って、そうなると・・・私と霧島が知っているのって・・・」
私はそう答えた。
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