第Ⅰ章 第6話
「いえ、驚きますよ。だって、警視庁捜査一課の刑事時代はそんな素振りを見せない位の狂犬ぶりだったので・・・」
恭哉の発言に藤崎さんも驚きを隠せなかったらしい。
「確かにな」
恭哉はそう答えた。
「あ・・・話が脱線しました。つまり、恭哉さんと逢坂さんは佐々木課長の部下で、この件でこんな夜分遅くに此方に足を運んだんですよね?私と京介は、現場まで案内しろと言われていますので、案内致しますね」
そう言ったのは、伏見だった。
「ああ、伏見の推理通りだ。それにお前の推理力は昔と同じだな。案内を頼む」
恭哉は伏見さんにそう言った。
「分かりました。案内しますのでどうぞ、此方へ」
伏見さんはそう答え、鳴海と穂高が収監されているはず独居房のへと向かった。
「此方が鳴海と穂高を収監していた独居房です」
伏見はそう言った。そこはもぬけの殻の状態だった。
「ここか。脱獄したと聞いたが、普通、脱獄と聞けば、独居房から穴を掘る事の方が多いが、今回の脱獄はそんな穴など掘られた様子は見受けられない。
ともなれば、鳴海と穂高は、穴を開けて脱獄した訳じゃないな。ともなれば、鳴海と穂高を脱獄させた男は鳴海と穂高を無抵抗で従わせた可能性が高いな」
恭哉はそう言った。
「確かに恭哉さんの推理通りだと思います」
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