第Ⅰ章 第5話

「二人共、霧島の事慕っているんだ?」

私は、藤崎さんに聞いた。


「はい。零さんは違いますが、俺は、当時かなり荒れてて、刑事が嫌いだったんです。でも、恭哉さんはいつも俺の元に来てくれて、色々面倒を見てくれたんですよ。だから、俺は、刑事は今も好きになれませんが、恭哉さんの事は慕っていますから」

藤崎さんはそう答えた。


「零さんは違うって如何いう事?」

私は藤崎さんにそう聞いたが、


「ああ。それは伏見は俺と同じ元警視庁捜査一課の刑事だったんだ。


でも、伏見は一身上の理由で辞職して、罪を犯したんだ。藤崎とは違うと言うのはそう言う理由ですよ先輩」

恭哉はそう答えた。


「そうだったんだ」

私はそう答えた。


「それで、恭哉さんは何故、此方に?風の噂で警視庁捜査一課をお辞めになったのは聞いていましたが・・・」

伏見さんは恭哉にそう聞いた。


「ああ。そうだけど、今はまた警視庁捜査一に復職したんだよ」

恭哉は伏見さんの疑問にそう答えた。


「そうだったんですね。それで、此方の女性は?」

伏見さんは私を見てそう言った。


「彼女は、俺の先輩で正直な事を言えば俺の妻である逢坂優姫だ」

恭哉は、佐々木課長が居る前で私の事を妻と紹介した。


「え・・・!?逢坂ってあの逢坂ですか!?いや・・ですが・・・その前に妻って・・・恭哉さん、ご結婚なされたんですか!?」

伏見さんは驚きを隠せずにいた。


「ああ・・・。そこまで驚かなくても・・・」

恭哉はそう言った。


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