53話

「いえ・・・これと言った予定は有りませんが・・・?」

私は首を傾げた。


「そうか。ならば、残りの仕事は明日で良いから、飲みに行くか。勿論、霧島と真壁の配属祝いも兼ねてだけどな」

課長はそう言った。


「課長がそう言うのは珍しいですね。なら、真姫も誘いますね」

私はそう言った。


それから、私達は、早めに仕事を終わらせ、警視庁を出るとたまに課長に誘われて行く隠れ家的バーの«アザレア»に向かった。

店内に入ると「いらっしゃい、久し振りね?佐々木さんに優姫ちゃん」

彼女はアザレアのオーナー兼店長の鈴原綾音さん。


「お久し振りです、綾音さん」

私は彼女にそう挨拶した。


すると「優姫ちゃん?この子は?もしかして、ついに優姫ちゃんに彼氏でも・・・?」

綾音さんはそう言った。「残念ですが、彼は私の後輩です。彼氏では有りませんよ。からかわないで下さい」

私はそう言った。


「優姫ちゃんもいよいよ、色気付いたのかと思ったわ?あ、もう、あの子達、居るわよ。奥の個室に通しておいたから」

綾音さんはそう答えた。


「ありがとうございます、綾音さん」

佐々木課長はそう言い、奥の個室に入ると、そこには、真壁さんと真姫が居た。


「お疲れ様です、佐々木課長に優姫」

そう挨拶して来たのは、真姫だった。「お疲れ、真城、真壁」

そう言ったのは、佐々木課長だった。

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