51話
「な!何を根拠に」
廣瀬さんはそう言った。
「確かに根拠は有りません。ですが、貴方の母親と姉と不仲であってもなんら不思議では有りませんよ。それに、貴方はどう思って居ようが・・・貴方の母親と姉は、貴方を自身の父親に重ねて、嫌になって居てもおかしくありません。貴方の父親は、かなりの癇癪持ちだったそうですからね」
霧島はそう言った。
「・・・・そうだ・・・」
廣瀬さんはそう答えた。
「では、貴方は、黒崎さんと雪代さんに対する脅迫と黒崎さんに対する殺人を認めますか?」
霧島は廣瀬さんにそう聞いた。
「・・・・ああ・・・」
廣瀬さんは、これ以上、抵抗するのを諦めたかの様に、素直に認めた。
「黒崎さんを殺害した理由をお聞きしても構いませんか?」
霧島は、廣瀬さんにそう聞いた。
「・・・・高校の時から、あの女は俺を見下してたんだ・・・・。高校を卒業して、就職した場所も同じだった。そこでもあの女は、俺を見下していたんだ。それにあの女は俺が高校の時から、女性に手を上げてた事を知っていた。その事を警察に告げると言ったんだ。あの女、その事を黙っている代わりに、お金を要求して来たんだ。
でも、何時か警察にこの事がバレると思って・・・」
廣瀬さんはそう口を継ぐんだ。
「口封じの為に殺害をしたと?どんな理由で有れ、殺人は許される事では有りません。その事は忘れない様に」
霧島はそう言った。
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