50話

「廣瀬裕也、29歳。古賀広告代理店に勤務しています」

廣瀬さんはそう答えた。


「では、単刀直入に聞きますが、廣瀬さん、昨夜、0~2時の間に恋人であり、同級生の黒崎香恋さんを殺害しましたね?」

霧島はそう切り出した。「何故、俺があの女を・・・」

廣瀬さんはそう言った。


「貴方は、家族にも暴力を振るっていた。それが、黒瀬さんと雪代さんにもその手を挙げた。


それどころか、貴方は、二人を脅しましたね?貴方は黒崎さんがラインで雪代さんに「廣瀬に今まで私と沙織にして来た暴力の事、警察に話すって言ったら、逆上して、殺してやる」と言っていたと書かれていますが、貴方は、黒崎さんと雪代さんに対する脅迫と殺意を認めますか?」

私は、廣瀬さんに聞いた。


「・・・」

廣瀬さんは黙り込んだ。


「黙秘ですか・・・。貴方は家族に対しても暴力を上げていたそうですね。それが原因で、貴方の母親は、間島総合病院に長期入院しているそうですね。貴方は、一度もお見舞いに姿を見せなかったみたいですがそれに対しては何か有ったんですか?」

私は廣瀬さんにそう聞いた。


「・・・それは・・・」

廣瀬さんはそう言った。


「それは?いえ、貴方が病院の母親のお見舞いを行けなかったんじゃない。行かなかったんだ。貴方は、本当は、母親と姉と仲が良く無かったのでは有りませんか?」

そう言ったのは、私と廣瀬さんのやり取りを静観していた霧島だった。

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