48話

「さて、続きは署で聞きましょうか。廣瀬裕也、黒崎香恋さんに対する殺害容疑と黒崎さん、雪代さんに対する脅迫行為、及び公務執行妨害罪であんたを逮捕する」

霧島は、廣瀬さんに手錠をかけ、連れて行った。


霧島とパトカーに戻ると、霧島は、パトカーの後部座席に廣瀬さんを乱雑に押し込み、運転席に乗り込んだ。

私はパトカーの助手席に座り込んだ。


「行きましょうか、先輩」

さっきまでの鋭く、冴えた推理を展開させた人物とは思えないほどの別人に代わっていた。「え・・・ええ」

私はそう答えた。


「それより、先輩、怪我有りませんでしたか?」

霧島は私にそう聞いた。「大丈夫。霧島が、廣瀬さんに思いっきり、ローキックをお見舞いしたお陰で。ありがとう、霧島」

私は霧島にそう言った。


「いえ、先輩に怪我が無くて良かったです。先輩は女性ですし、怪我をさせたら大変ですから」

霧島はそう言った。「ありがとう」

私はそう言った。


霧島が運転したパトカーは、警視庁の地下駐車場に入り、私と霧島で、確保した廣瀬さんを署まで連れて行った。


廣瀬さんを署に居た他の刑事に預け、私と霧島は警視庁捜査一課のオフィスへと出向いた。


「ただいま戻りました、課長」

私はそう言った。「お帰り、逢坂、霧島」

そう言い、私と霧島を出迎えたのは佐々木課長だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る