46話
「ありがとうございます」
私はそう言い、マンションの中に入った。
マンションに入り、角を曲がるとエレベータがあり、そのエレベータで4階に降りた。それから、目的の廣瀬の表札が下がった部屋に辿り着いた。
再度、私はインターフォンを鳴らした。すると、部屋の扉が開いた。
私と霧島は中に入った。
「貴方が廣瀬裕也さんですね?やっとお会い出来ましたね」
私はリビングに入るなりそう言った。
「それで刑事さんは何故、俺を探していたんですか?」
廣瀬さんはまるで何にも知らないと惚ける様に言った。
すると「あんたは明らかに俺達、警察がここに来る事位、予想出来ていたんじゃないのか?廣瀬裕也」
霧島は今まで聞いて来た口調とは明らかに違う口調で、廣瀬さんに言い放った。
「何の事か・・・」
すると「良いや・・・。大よそ予期してたんじゃないのか?俺達、警察があんたの元に辿り着く事に」
霧島は、そう言った。
「何を根拠にそんな事を?俺が警察沙汰になる様な事をするとでも?」
廣瀬さんも霧島の問いにそう言った。
「あんたは知っている筈だ。昨夜、0時にあんたが学生時代の同級生で同じ広告代理店に勤務していた恋人の黒瀬香恋さんが殺された事を」
霧島はそう言った。
「・・・確かに黒瀬とは、同級生で恋人だったが、何処に俺があの女を殺す根拠がある?証拠がないだろう?証拠がなきゃ、俺を犯人として逮捕は出来ないだろう?」
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