44話

「そうですか・・・。その時、変わった様子は有りませんでしたか?」

私はそう聞いた。


「そうですね。特に変わった様子は有りませんでしたね」

藤木さんはそう答えた。


「そうですか。では、廣瀬さんが行きそうな場所に心当たりは有りませんか?もし、有ったら、教えて欲しいんです。


・・・それにこれ以上、被害者を出さない為にも」

私はそう答えた。


「心当たりなら有ります。あいつ、最近、良いマンションに引っ越した事を俺に言って来たので、多分、そのマンションかもしれません。少し、待って頂けますか?刑事さん」

藤木さんはそう言った。


「分かりました」

私はそう言うと、暫くして、メモを持った藤木さんが部屋に戻って来た。


「多分、ここに居ると思います。そこに書かれている住所が今、裕也が住んでいるマンションの住所です。


そこを訪ねても居なかった場合、ごめんなさい、俺もあいつのプライベートまで深く知らないので、そこ以外、心当たりが有りません」

藤木さんはそう答えた。


「いえ・・・教えて頂き、ありがとうございます。それでは失礼します」

私と霧島は、メモを持ち、広告代理店を出ると、藤木さんに教えて貰った住所に向かった。


そこに書かれた住所は、ここから少し遠い、横浜のタワーマンションが連なるエリアにあるマンションだった。

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