41話

「そうですね。僕も恭哉と同意見ですね。犯人は、凶器に指紋を残すなんて失態は犯さないでしょう。期待は出来ないと思います。


・・・まぁ、ごく微量な指紋なら生きて居るかも知れませんね」

真壁はそう言った。


「そうか・・・。捜査は手づまりになりそうだな。当面の目的は藤木直哉の接触と廣瀬裕也の行方を捜す事だな」

佐々木課長はそう言った。


「そうですね」

私はそう答えた。


暫くして、鑑識からの結果が出た。

その結果は、ほぼ霧島の見立てた推理にほぼ近かったが、真壁の見立てた推理も決して外れたものとは言い切れなかった。


「霧島と真壁の見立てた推理通りだな・・・」

佐々木課長はそう言った。


「そうなりましたね」

私はそう答えた。


「ああ。だが、俺達がやる事は変わらないからな」

佐々木課長はそう言った。


「はい」


その日は、私は定時で帰宅する事にした。



次の日、私と霧島は朝から、殺された黒崎さんと雪代さん、廣瀬さんが勤務している広告代理店に来ていた。今は、会議室に通され、私と霧島の真正面には、ある男性ー藤木直哉が座っていた。


「あの古賀さんから聞いて来たんですが・・・一体、俺に何の用ですか?刑事さん」

藤木さんはそう聞いた。


「古賀さんからお話を聞いていらっしゃっているのでしたら、何故、我々が貴方を訪ねにこの会社に来たのか、ご存知なのでは、御座いませんか?」

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