第38話

私はそう言い、また、続けた。


「その後、本人とコンタクトを取ろうとしましたが、今日は出社していないと聞き、彼の住所を聞き、彼の家に行く事にしました。

そこで、裕也さんのお姉さんの雪菜さんに話を聞く事が出来ました。ですが、裕也さんは、居ませんでした。雪菜さんの話では、一週間、家に帰宅していない事と連絡も取れていないみたいです。


姉の雪菜さんは殺された黒崎さんと自分の弟の裕也さんがお付き合いしていた事もお付き合いされていた黒崎さんとその友人である雪代さんに対する暴力行為に及んでいた事もお存知でなかったようです」

私はそう言った。


「そうか・・・」

佐々木課長はそう言った。


「俺からも良いですか?課長」

そう言い、霧島が佐々木課長にそう言った。「ああ・・・構わないぞ、霧島」

佐々木課長は霧島にそう答えた。


「では、僭越ながら俺からも報告致します。俺は、廣瀬裕也が、恋人の黒崎さんや雪代さん以外に、自身の家族に対しても暴力行為を及んでいた事を雪菜さんにお尋ねしました。雪菜さんの証言では、雪菜さんと裕也さんのお母様は、裕也さんの日常の度重なる暴力に耐えきれず、体を壊し、間島総合病院に長期入院されている事を聞きました。


それと裕也さんがお母様と姉の雪菜さんに対する暴力行為に及んだのは4年前に亡くなられた裕也さんのお父さんが一番の原因だと俺は踏んでいます」

霧島はそう区切った。


「まさか、その父親が、母親と姉の雪菜さんに暴力行為を働いたと?そう言う事か?霧島」

佐々木課長は霧島にそう聞いた。


「ええ。そのまさかですよ、課長。そして、彼が死んだ後、お母様と姉の雪菜さんは暴力から解放されたと思っていた・・・けど実際は違います。そこから、裕也さんからの暴力に耐える日々だったそうです」

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