第37話

「これは・・・私も予想にして居なかったな」

佐々木課長はそう言った。


「ええ。私も驚きました。ここまで非道な犯罪者に遭遇するのは久し振りです。

・・・雪代さんは廣瀬さんに殺されるのではないかと今も怯えています」

私はそう言った。


「・・・そうだな・・・。まだ、証言は有るんだろう?逢坂」

佐々木課長はそう言った。


「はい。次は、殺された黒崎さん、雪代さんと廣瀬さんが勤務していた広告代理店の代表を務める古賀葵さんにお話を聞きに行きました。古賀さんのアリバイは、黒崎さんと雪代さんが会社から自宅マンションに帰宅した昨夜、11時~1時までオフィスで働いて居たそうです。会社を出たのは、深夜2時だと。

黒崎さんが殺害された時刻には、古賀さんは、会社に居たので、殺害するのは難しいと思われます」

私はそう言った。


「・・・確かにそうだな。続けてくれ」

佐々木課長はそう促した。


「はい。黒崎さんの会社での働きぶりはかなり良かったそうで、真面目で頑張り屋で、誰に対しても優しく気を配れる人だと話していました。雪代さんとかなり、仲が良かったそうです。クライアントからも信頼や評価が良かったそうです」

私はそう答えた。


「廣瀬の仕事ぶりは?」

佐々木課長はそう聞いた。


「古賀さんの証言では、廣瀬さんは、会社の中で恐怖を抱かれていた様です。彼は、女性に対しての暴力行為が酷い事が会社の女性社員に知れ渡っていたのでしょう。古賀さんも含め、恐怖を抱かれていたそうです。仕事ぶりに対してはしっかりしていたそうですが、性格と性質的に人間関係は最悪だったそうです」

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