第36話

「そうか。それで、逢坂。黒崎さんに対して、殺意を抱いてた人物は炙り出せたか?」

佐々木課長は私にそう聞いた。


「ええ。それも雪代さんに聞きました。学生時代、黒崎さんの恋人だった方で、今、現在、黒崎さんと雪代さんと同じ広告代理店に勤務している廣瀬裕也と言う男が我々の捜査線上に浮上いたしました。


・・・ですが、この男は、私が今まで逢って来た犯罪者の中でもかなり、最低な男でした」

私はそう区切った。


「最低?お前にそこまで言わせる男が居たのか?」

佐々木課長はそう言った。


「ええ。雪代さんの証言では、彼は、かなりの癇癪持ちだったそうで・・・恋人の黒崎さんや雪代さんにも暴力を何度も振るっていたそうです。


廣瀬さんは学生時代から女性に対して何度も暴力行為に及んでいたそうです。雪代さんは黒崎さんを殺したのは、その廣瀬裕也では無いかとも言っています。


・・・・その証拠が雪代さんが私に見せてくれた、昨夜のラインだそうです。・・・雪代さんの証言ではこのラインが送られて来た後に雪代さんが黒崎さんの部屋を訪れた時に死体を発見したそうです」

私は雪代さんが見せてくれたラインを取ったものを佐々木課長達に見える様に自分のスマートフォンを置いて、見せた。

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