第30話

「そうだったんですね。驚きです」

私はそう言った。


「だろうね?優姫ちゃんの周りで3人も元刑事が居るなんて、驚きだよね」

間島先生はそう言った。


「あの・・・御影先生が霧島と間島先生の仲裁に入られる前に、間島先生、霧島に妙な事を言っていませんでしたか?昔の霧島がかなり尖っていたとか、あの人との約束を果たす為に刑事に逆戻りしたとか言っていませんでしたか?それって如何いう事ですか?間島先生」

私は間島先生にそう聞いた。


「・・・その話はそのうち、恭哉君に聞くと良いよ。僕も昔の刑事だった時の話はあまりしない様にしているんだ。あんまり良い思い出が無いからね」

間島先生はそう答えた。


「分かりました」

私は、そう答えた。


「ここが、廣瀬深雪さんの病室だよ。・・・深雪さん、入りますよ」

そう言い、病室に入った。


「こんにちは、深雪さん」

間島先生はそう言った。「こんにちは、間島先生」

ベッドで起き上がっていた彼女が廣瀬深雪さんだ。


彼女は、娘の雪菜さんと共に廣瀬裕也さんに暴力を受けていた人物だ。暴力を受けていた影響か、彼女も雪菜さんの様に痩せ細っていた。


「それで、間島先生?此方の女性は?」

深雪さんは私に気付いて、間島先生にそう聞いた。


「彼女は僕の知人で、僕の患者の逢坂優姫さん。彼女も深雪さんの様に精神疾患に陥っていて、今でも僕の元に、通院している患者さんなんですよ」

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