第28話
「面会は可能だ・・・っと言いたいけれど、二人は廣瀬さんの家に行って事情は聞いた?」
間島先生はそう聞いた。
「はい、聞きました」
私はそう答えた。
「そう。話を聞いているなら分かるよね?裕也さんのお母様である廣瀬深雪さんとお姉さんである雪菜さんに彼は暴力を加えた。それは、かなり酷い回数ね。
それに深雪さんは、裕也さんの暴力のせいで酷い精神疾患に陥ってね。家族以外とは面会謝絶なんだよ」
間島先生はそう答えた。
「それは分かる。けど、こちらは、一刻の猶予が無い。裕也さんは、俺と先輩が担当している殺人事件の容疑者が掛けられている。彼は自分の家族以外にも暴力を振るっているんだ。早く捕まえなければ、被害者は増えるだけだ」
霧島はそう言った。
「それは、私でも分かる。けれど、面会謝絶なんだ・・・」
間島先生は頑なにそう言った。
「なら、一つ、提案が有るんです。間島先生、私一人で深雪さんに面会しても構いませんか?
確かに霧島の言い分も間島先生の言い分も理解出来ます。なら、同じ精神疾患を患った事が私なら、なんら問題は有りませんよね?」
私はそう聞いた。
「いや・・・それは・・・」
間島先生はそう聞いた。
「分かっています。先生は、刑事に協力するのを戸惑っているのは・・・。
・・・ですが、霧島の言う通り、このまま、廣瀬裕也さんを野放しにすれば新たな被害者が出る事も確実です。お願いします、間島先生」
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