第27話

「久し振りだな、万里。本当に10年振りにお前に逢うな。お前も蓮も元気そうだな・・・。驚いたよ。まさか、お前が、逢坂先輩の主治医だって事に・・・」

霧島はそう言った。


「それを言うなら、君も昔とは大分、変わったね?恭哉君。昔はかなり尖ってたけど・・・今は、丸くなったんだね。僕も驚きだ。


10年前に僕達、刑事だったのに、10年前に刑事を辞めたのに、君は刑事に戻ったんだね?しかも、優姫ちゃんと組んで居る。君は、あの人との約束を果たす為に刑事に逆戻りしたのかい?」

間島先生はそう言った。


正直、私の頭の上には?が浮かんだ。


すると「おい、霧島、万里、お前達だけで昔話に花を咲かせ過ぎじゃ無いか?」

そこに一人の男性が現れた。彼も顔馴染みの医者だ。「あ、蓮君。ごめん、ごめん。ついね。それに蓮君も恭哉君に逢うのは10年振りだろう?」

間島先生はそう言った。


「確かにそうだ。だが、逢坂さんが困っているだろう?・・・そう言う身内話をしに来た訳でもないだろう?霧島」

そう言ったのは、間島先生と同じ精神科の医者で、副院長も務める御影蓮先生だった。


「そうだった。実はここに入院している廣瀬裕也さんの母親に面会しに来たんだ・・・。面会は可能か?」

霧島はそう聞いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る