第26話

私と霧島は、廣瀬家を出て、パトカーに乗り込んだ。


「先輩、これからどうしますか?一度、署に戻りますか?」

霧島はそう言った。「そうね・・・・。最後に一か所だけ回ってから署へ戻るわ」

私はそう答えた。


「行先は間島総合病院で構いませんよね?」

霧島はそう答えた。「ええ・・・。そこで構わないわ」

私はそう答えた。


霧島はパトカーを走らせた。

暫くして、目的の間島総合病院に着いた。


「さて、行きますか、先輩」

霧島は私にそう聞いた。「ええ、そうね」

私はそう答えた。


私はパトカーを降り、霧島と共に間島病院に入った。

私がここに来るのは、退院してから約1年ぶりだった。


私は何時も向かう、精神科に向かう。

霧島が述べた様に私は精神科に通院しているのだ。

ただ、カウンセリング以外で来たのは今日が初めてだった。


すると「あれ、優姫ちゃん?珍しいね。優姫ちゃんがカウンセリング以外で僕の元に訪れるなんて・・・もしかして、仕事でここに来たのかな?」

そう聞いたのは私の主治医で、この病院の現院長・間島万里先生だった。


「はい。今日は一人じゃないですよ」

そう言うと、私が連れて来た人物・霧島は、私の横に立った。


「君とここで再会するのは、約10年ぶりかな?まさか、君がまた警察官になったのは驚きだよ、恭哉君」

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