第22話
「如何いう事?霧島」
私は横に居る霧島にそう聞いた。
「先輩は、雪代さんと黒崎さんが暴力を振るわれていた事はご存知でしたよね?先輩は気付いていたかどうかは私には分かりませんが・・・彼女の身体つきを見ればすぐに分かります。
別に嫌らしい目では見ていません。ですが、成人済みの女性なら、先輩の様に多少、頬もふっくらしていてもおかしくありませんが、貴女の場合、肉付きが良くない。それにやせ細っています。これは、暴力を日常的に受けて来た女性が陥りやすい体格です。
それに、さっきから私と碌に目線を合わせないのがその証拠かと。貴女の母親は健在ですが、今は、実の息子の裕也さんの日常的な暴力のせいで長期入院を余儀なくされた。という所でしょうか?私が今、述べた見解に何か間違いはありますか?」
霧島はそう答えた。
「・・・どうして・・・そこまで分かったんですか?刑事さん。母親の事も刑事さんに話ていないのに・・・」
雪菜さんは驚いていた。
「そうですね。私がその見解に至ったのは簡単です。まず、玄関に貴女とは明らかにサイズが大きい女性物の靴が出て居ましたからね。そこから、この家には母親が健在していた事は理解出来ました。それに、長期入院の事は、貴女に先程話した日常的な暴力により、貴女の母親が体を壊した事を容易に想像出来ます」
霧島は、私と雪菜さんにそう推理を見せた。
「・・・流石です、刑事さん。刑事さん、貴方の推理通りです。私の母親は裕也の日常的な暴力に耐えきれずに、体を壊し、間島総合病院に長期入院しています」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます