第20話

「それで、刑事さんは何故、此方に?」

女性はそう答えた。


「改めて自己紹介させて下さい。私は警視庁捜査一課の刑事・逢坂優姫です。こちらへ参ったのは、廣瀬裕也さんの事でお話をお聞きしたくて参りました」

私はそう言った。


「同じく警視庁捜査一課の刑事・霧島恭哉と申します」

霧島はそう自己紹介した。


「自己紹介が遅れましたね。私は廣瀬雪菜と申します。裕也と私は姉弟です。裕也の下にも妹がいますが・・・。


それで、裕也の事で、何を聞きたいんですか?刑事さん」

廣瀬雪菜と名乗った女性は私に聞いた。


「こちらに廣瀬裕也さんはいらっしゃるんですか?廣瀬さんが働いていた広告代理店に向かいましたが、本日は出社していないと上司の古賀さんが仰っていましたが・・・」

私はそう言った。


「・・・そうですか・・・。いいえ、裕也は、ここ一週間、この家には帰宅していません。連絡も取れていない状態です。


・・・何故、刑事さんが裕也を追っているんですか?」

雪菜さんはそう言った。


「実は、今朝方、廣瀬さんの勤務している広告代理店の同僚である黒瀬香恋さんが殺害されました。今現在、我々警察は、黒崎香恋さんの殺害容疑で、貴女の弟である廣瀬裕也さんの身を追っているんですよ」

霧島は雪菜さんにそう言った。


「・・・そうなんですか・・・。裕也が・・・」

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