第16話

「ありがとうございます。それで、幾つかお話を聞いても構いませんか?古賀さん」

私はそう聞いた。


「ええ、構いませんよ」

古賀さんはそう答えた。


「では、殺された黒崎香恋さんのお仕事ぶりや、この会社では、どうだったかお聞かせ願えますか?」

私は古賀さんにそう聞いた。


「・・・そうですね・・・。黒崎さんの仕事ぶりはとても真面目で頑張り屋さんでした。誰に対しても気さくで、気を配れる優しい人でした。社内では良く、雪代さんとかなり仲が良かったみたいです。なので、我が社のクライアントにもとても黒崎さんの評価も良かったんです」

古賀さんはそう答えた。


「そうですか・・・。では、逆に黒崎さんに強い恨みを抱えを抱いていた方に心当たりは有りませんでしたか?」

私はそう古賀さんに聞いた。


「・・・そうですね・・・。黒崎さんに限らずですが、我が社で、黒崎さんに対して、恨みを持っていたのは廣瀬裕也さんですね」

古賀さんは私の問いにそう答えた。


「・・・我が社ですか?それは・・・」

私は古賀さんにそう尋ねた。


「・・・ここだけのお話にして下さいね・・・刑事さん」

古賀さんは私にそう前置きをした。「はい、勿論です」

私はそう答えた。


「・・・実は、我が社の社員も廣瀬さんに対しては恐怖を抱いているんですよ・・・。黒崎さんと雪代さんから廣瀬さんの事を聞きましたが・・・そこまで廣瀬さんが酷い方だとは知らなかったんです。・・・その事を聞いた我が社の女性社員は怖がってしまって・・・。勿論、私もです・・・。


彼の仕事ぶりに対しての不服は有りませんが・・・その性格的と性質的にここの社での人間関係はとても最悪ですよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る