第12話
「その事を警察に相談は・・・?」
私はそう聞いた。
「いいえ・・・。廣瀬さんは「この事を警察に話したら、殺す」って脅されて・・・私・・・どうして良いのか分からなくて・・・それで・・・」
雪代さんは我慢できずに涙を流した。
「それで今まで我慢していたんですね・・・。
・・・もう、大丈夫ですよ。もう・・・我慢しないで下さい」
私は泣き始めてしまった雪代さんの頭を撫でた。
「もう一つ、聞いても宜しいでしょうか・・・?」
「・・・何でしょう?」
「雪代さんは、何故、廣瀬さんが黒崎さんを殺害したと思うの?その根拠は何?」
すると、雪代さんは自分のスマートフォンを起動し、あるラインのやり取りを私に見せてくれた。
その文面に『沙織、助けて・・・私・・・廣瀬に殺される』と黒崎さんはそう書いて、雪代さんに送った。『如何いう事?』雪代さんは、黒崎さんにそう聞いた。
『あの電話の後で、私、廣瀬に逢ったんだけど・・・廣瀬に今まで私と沙織にして来た暴力の事、警察に話すって言ったら、逆上して、殺してやるって言って、私を追いかけて来るの・・・。怖い・・・』黒崎さんはそう言った。『警察に連絡しよう』雪代さんはそう言った。『駄目。沙織が警察にこの事話したら、廣瀬は沙織も殺す筈だから・・・これ以上、沙織に迷惑掛けたくないから通報しないで・・・・』
そこには悲痛な胸の内が見え隠れしていた。
「このラインの後に部屋に言ったら、香恋ちゃんが殺されてたんです・・・。この事を刑事さんに話したら、私まで廣瀬さんに殺されるかも知れない・・。
でも・・・お願いします、刑事さん。私はどうなっても良いんです・・・。香恋ちゃんを殺した廣瀬を・・・絶対に捕まえて下さい」
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