第11話

「・・・・刑事さんの仰る通りです。刑事さんにお話する事は廣瀬さんの事です。

廣瀬さんは、私と香恋ちゃんとも同じ高校で、同級生なんです・・・」

雪代さんは穏やかに話始めた。


「如何いう経緯で、廣瀬さんと黒崎さんが恋人関係に?」

私は雪代さんにそう聞いた。


「・・・あれは、私と香恋ちゃんが高校二年生の春でした。急に香恋ちゃんに屋上に連れられて、廣瀬さんと付き合う事になったと報告しました。


でも、私も香恋ちゃんもその事を素直に喜べないんです。廣瀬さんは、急に私達の前に現れて、昔から一緒に居た雰囲気を出してて、小学校も中学も高校も一緒で、私達の気分は最悪でした。しかも、廣瀬さんには、嫌な噂しかなかった。だから、私も香恋ちゃんも廣瀬さんとのお付き合いに発展した事に素直に喜べないんです。


あれは一種の呪いの様なものです。

あの人は、最早、狂気なんです・・・・。


もしかしたら、香恋ちゃんを殺したのも廣瀬さんだと思います」

雪代さんはそう言った。



「何故、廣瀬さんが黒瀬さんを殺害したと思ったか聞く前に、廣瀬さんに対する嫌な噂って何ですか?教えて下さい」

私は雪代さんにそう言った。


「・・・廣瀬さんには関わると碌な事にならないって、昔、高校の先輩から聞きました。


廣瀬さんは、女性泣かせで、女性に平気で暴力を振るうって・・・その言葉通り、私も香恋ちゃんも廣瀬さんに何度も暴力を受けました」



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