第9話

「分かりました。雪代さんからお話を聞いた事は黙っておきますので、安心して下さい」

私は、雪代さんにそう言った。


「ありがとうございます。

・・・・それともう一つ、お願いがあるのですが・・・」

雪代さんは申し訳なさそうにそう言った。



「はい、何でしょう?」

私はそう答えた。



「その・・・刑事さんと一緒にいる男性刑事さんを外して貰えませんか・・・。

私、元々、男性が苦手なんですが・・・その・・・廣瀬さんのせいで男性が苦手になってしまって・・・・」

雪代さんはそう言った。


「分かりました。・・・霧島」

私は新しく組んだ男を呼んだ。「はい」

霧島はそう答えた。



「雪代さんへの聞き込みは私がするから、現場に戻って、佐々木課長か佐久間先輩の指示を仰いでくれる?」

私はそう霧島に指示を出した。



「分かりました。それでは」

霧島は、雪代さんの部屋から出て行った。


「これで、雪代さんが私に提示した条件はクリアされました。ここには私と雪代さんしか居ません」

私はそう言った。


「ありがとうございます、刑事さん」

雪代さんはそう言った。


・・・・無意識?体の前で手を組むこの体制って・・・・もしかして・・・・?

私は雪代さんのその無意識の行動に目を光らせた。


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