第Ⅰ章 第7話
「いえ、お構いなく」
私はそう言った。
「そうですか。それで・・・刑事さんは香恋ちゃんの事でお話を聞きに来たんですね」
雪代さんはそう答えた。
「はい。雪代さん、単刀直入にお聞きしますが、事件の起きた昨晩の深夜0時~2時までどこに居ましたか?」
そう優しい口調で霧島は聞いた。
「その日は、11時に仕事が終わって、私は香恋ちゃんとこのマンションに途中まで帰りました」
「途中まで?」
私は雪代さんにそう聞いた。
「途中で香恋ちゃんのスマホに電話が有って・・・電話の相手は分からなかったんですが、その相手が凄く電話口で怒っていたのを私の耳まで聞こえて、その後に、「急用が入ったから先に帰って」って私にそう言って、止める事も出来ないまま、香恋ちゃんは行っちゃって・・・」
雪代さんはそう答えた。
「雪代さんと黒崎さんは如何いった関係だったんですか?」
私はそう聞いた。「私と香恋ちゃんは、幼い頃からの幼馴染だったんです・・・」
雪代さんはそう答えた。
「黒崎さんはどんな方でしたか?」
私は雪代さんにそう聞いた。
「香恋ちゃんは、私と真逆で誰とでも仲良くなれるタイプで、いつも自信が無い私とは違って、香恋ちゃんは私にとても親切でした。同じ会社に勤務し始めてからも良く気に掛けてくれたんです」
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