第Ⅰ章 第5話
「それが本当なら、凶器は二つにならないか?」
佐々木課長はそう言った。
「そうですね。一つはナイフ、もう一つは、首を絞めた紐ですね。でも、その凶器を見付けるのは困難だと思いますよ」
霧島はそう答えた。
「何故、そう思う?」
佐々木課長は霧島にそう聞いた。
「上手く凶器を見付けられたとしてもそこからの捜査も混迷を極める可能性があります。犯人は、計画的に黒崎さんを殺した。そして、用意周到に凶器に付着した自分の指紋などを拭き取って、捨てている可能性が非常に高い。その場合、犯人に辿り着く事が非常に困難に近い可能性を有しています」
霧島はそう答えた。
「確かに霧島の推理には一理あるな。だが、そうなると彼女に対して強い殺意を持った人間じゃなきゃそんな殺人を犯せないと思うが?」
佐々木課長はそう霧島に言った。
「ええ。そうですね。俺もその線の犯人を疑っています。今の段階でですが、黒崎さんを殺した犯人は、黒崎さんに強い恨みの感情を持った人間が殺したと俺はそう推理します」
霧島はそう答えた。
「そうか・・・」
佐々木課長はそう答えた。
「どうして、そこまでの推理が出来るの?霧島。貴方って元刑事だったりとか?」
私は目の前で佐々木課長と霧島が繰り広げてたやり取りを聞きながらそう聞いた。
「・・・まぁ、そんな感じですね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます