The first incident

佐々木課長の後を追い、私達もようやく殺害現場に足を踏み入れた。


「該者は?」

佐々木課長は、近くにいた鑑識課の人間に声を掛けた。



「該者は、この近所にある古賀広告代理店に勤務していた黒崎香恋26歳。死亡推定時刻は、昨晩深夜0時~2時の間です。死因は首を圧迫された事による窒息死ですね。物取りの犯行は考えにくいです。これは明確な計画的な犯行です。凶器は、犯人が持ち去った可能性があります」

鑑識課はそう言った。


「そうか・・・」

佐々木課長はそう言った。



・・・・これは血が固まってる?まさか・・・・窒息死じゃない・・・?


「先輩、もしかして、先輩も気付いてます?」

そう言ったのは霧島だった。


「ええ。もしかして、霧島も?」



すると「逢坂、霧島?二人して何かに気付いたのか?」

そういったのは、佐々木課長だった。



「どうやら、俺と逢坂先輩は同じ事に気付いたんだと思います。黒崎さんが本当は、首を圧迫された事による窒息死での殺害じゃない事に・・・」


霧島はそう言った。


「如何いう事だ?」

佐々木課長はそう言った。


「俺と逢坂先輩が気付いたのは、この死体は確かに首を絞められているが、それが本当の死因じゃない・・・・。本当は・・・該者である黒崎さんの死因は、ナイフで急所を刺された事による殺害です。その後に、犯人は、被害者の首を絞めた。それがこの事件の殺害です」


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